更新履歴 - - - 第一話~番外編その1
2007/5/21: 番外編1 p.6
そんな思いとは裏腹に、番外編(一) 6 ページ、更新です。
・・・
番外編はこれにて終了です。次回の水曜日は一回お休みをいただいて、金曜日から第三話へ突入します。
2007/5/18: 番外編1 p.5
これ見よがしに、番外編(一) 5ページ、更新です。
2007/5/16: 番外編1 p.4
かくなる上は、番外編(一) 4ページ、更新なのである。
2007/5/14: 番外編1 p.3
いわゆる、番外編(一) 3ページ、更新です。
・・・
「末っ娘」だから何だってのよ、とお思いの方はFAQをご参照あれ。
2007/5/11: 番外編1 p.2
詰まるところ、番外編(一) 2ページ、更新なのです。
・・・
この少年、グリム童話『こわがることをおぼえるために旅にでかけた男の話』の主役です。第一話の6ページに出てきて以来の再登場。
2007/5/9: 番外編1 p.1
思いがけず、番外編(一) 1ページ、更新です。
・・・
第一話に登場の侯爵夫妻、再登場です。
「いま何考えてるか当ててごらん♪」は、"I spy with my little eye" という、欧米で幼少の子供がやる遊びのこと。こちらに遊び方の説明が。
2007/5/4: 第二話 p.48
ついに、第二話 48 ページ、更新です。
・・・
第二話、これにて完結です。
また、あまりご覧いただいてないとは思うのですが、第二話の注釈もとりあえず訳了しています。
次回の月曜日は一回お休みをいただいて、水曜日から番外編が始まります。
2007/5/2: 第二話 p.47
引きも切らず、第二話 47 ページ、更新です。
・・・
童話・児童文学ウェブリングの終了に伴って、サイトデザインを少しいじりました。
投票は、本編の最新ページ、または下のカエル (の上に表示されるポップアップ) からできるようになりました。
2007/4/30: 第二話 p.46
すべからく、第二話 46 ページ、更新です。
2007/4/27: 第二話 p.45
しげしげと、第二話 45 ページ、更新です。
2007/4/25: 第二話 p.44
はんなりと、第二話 44 ページ、更新です。
2007/4/23: 第二話 p.43
はてさて、第二話 43 ページ、更新です。
本家は四周年を迎えたとのこと。第四話が予告どおりスタートしています。
2007/4/20: 第二話 p.42
そろそろ本格的に、ここに書くことがなくなってきました・・・。
無理矢理ネタを探すのも本末転倒ですので、特にお知らせすべきことがないときは、あっさりとした記述で行かせてもらいたいと思います。
・・・そんなわけで、第二話 42 ページ、更新です。
2007/4/18: 第二話 p.41
「海外ウェブコミック覚え書き」(訳者セレクトのリンク集…のようなもの)、少し大きく更新しました。日本語で読める海外ウェブコミックをいくつかまとめてご紹介。
2007/4/16: 第二話 p.40
そう言えば、「児童文学・絵本・童話ウェブリング」は、今月いっぱいで終了なのです。
訳者は「ランダム」であれこれ見るのが結構好きでした (リンク切れの多さには閉口しましたが)。pencil みたいなサイトに行き当たったときは、それはラッキーに感じたものです。
下のナビゲーション・バーは最終日まで残しておくので、そのときまで、よろしければご利用ください。
2007/4/13: 第二話 p.39
・・・・・・!
今回も「ベル・バージョン」を一応用意しました(字面を変えただけですが)。
2007/4/11: 第二話 p.38
翻訳にはつきものなことですが、今回も言葉の厄介ごとが・・・。
日本語の地口や言葉遊びで何とかできないかとあれこれ考えたのですが、力及ばず、ルビで処理させてもらいました。
ルビは原文の意味を損なわないという点ではよいのですが、声に出して読むような場合に、どうにもしようがないのが難です。
2007/4/9: 第二話 p.37
今回も版の違いに関係する内容。
日本では『美女と野獣』のヒロインの名前は「ベル(Belle)」が最も一般的ですが、英語の『美女と野獣』では「ビューティ(Beauty)」なのです。日本で最も普及している表現に合わせたいとも思ったのですが、会話の内容に関係するため、そうもいかず。
実は無理矢理「ベル・バージョン」も作ってみたのですが、原文からずれすぎ・・・。でもまあ、どうしても「ベル」でなければイヤという方は、こちらをどうぞ。
2007/4/6: 第二話 p.36
前回と前々回で、『美女と野獣』にはいくつかの版があることを記しましたが、実は今回の指輪のくだりが、版によって異なるのです。
日本で一番よく知られているボーモン版では「テーブルの上に指輪を置く」となっているため、おやっと思った方もいるかもしれません。このマンガでは、英訳のアンドリュー・ラング版での指輪の使い方を元にしています。
2007/4/4: 第二話 p.35
前回に引き続き、『美女と野獣』の版について。
[英語]
1.ボーモン版からの翻訳
訳者は不明。ボーモン版の翌年(1757年)には既に翻訳されていたそうです。
2.アンドリュー・ラング(Andrew Lang)版
アンドリュー・ラングは、民話や童話の編纂で知られている人(『~いろの童話集』という色名のついた全集が特に有名)。ヴィルヌーヴ版の枝葉を取り払い、ボーモン版が多少混じっている模様。
どちらも主人公の名前は英訳されていて「ビューティ」(Beauty)です。
・・・長くなりましたが、フランス語に2つの版があり、それを元にした英訳にも2つの版があるということだけ、とりあえずご承知おきください。
参考資料:
West Wing
SurLaLune Fairy Tale page
2007/4/2: 第二話 p.34
『美女と野獣』にはいくつかの版があります。これから先、おやっと思うことがあるかもしれませんので、前もって整理しておきましょう。
[フランス語]
1.ヴィルヌーヴ(Villeneuve)版
フランスで初めて出版された版(1740年)。登場人物が多く、人物描写などが混んだ(ある意味冗長な)中編。
2.ボーモン(Beaumont)版
ヴィルヌーヴ版を刈り込み、細部を変更したもの(1756年)。全体に児童向けに書かれています(教訓臭が強いとも)。一般に広く知られているのはこちら。
主人公の女性の名前はいずれも「ベル」。フランス語で「美しい」(Belle)の意味です。
(つづく)
2007/3/30: 第二話 p.33
本家が久々に更新されていますね。・・・"Dick the Picky" なんてどう訳したものか。
"Picky" は「好みがうるさい」とかいう意味。瀬田貞二風だと「重箱すみお」とかになるのでしょうか? まあ現実的には、無難かつ多少語呂のよい「潔癖ディック」あたりか。・・・うーん。
こういうのをチクチク考えるのは、なかなか理想の訳にはならずしんどいものですが、楽しい作業でもあります。
2007/3/28: 第二話 p.32
このサイトをアップし始めたのが昨年の12/28なので、ちょうど三ヶ月が経ったことになります。日の浅いサイトですが、ご贔屓にしてくださっている皆様に改めて御礼申し上げます。これからもご愛読よろしくお願いいたします。
・・・と言うか、まだ三ヶ月なのですね。訳者としては、もうずいぶん経った感じだったのですが、いやはや。
2007/3/26: 第二話 p.31
別所でも取り上げましたが、最近の英語ウェブコミックで個人的に期待が大きいのは、The Surreal Adventures of Edgar Allan Poo。
絵や世界観はとてもよい感じ。しかしながら筋立ては、現在のところポーの作品とはあまり関係してないような・・・(なぜか最近、北欧神話テイストが混じってるし)。
2007/3/23: 第二話 p.30
・・・すでにご存じの方も多いでしょうが、第二話の副読本はこちらです。事前に予習しておくもよし、後から反芻してみるもよし。
それと、イタリア語版とドイツ語版のリンクをトップに持ってきました。
2007/3/21: 第二話 p.29
「埋められた月」の訳出がひとまず終わって、本編以外で訳したいと思っていたものは、(現在、進行中の注釈なんかは別にして) だいたい片付きました。
これからはこの欄も寂しくなるというか、スッキリするというか・・・。
2007/3/19: 第二話 p.28
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」完結です。
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埋められた月 (21)
一同は近づいて、その大きな石を抱え、押しのけた。後になってその連中が言った話だと、一分かそこらの間は、暗い水の中から風変わりだが美しい顔が連中の方を嬉しそうに見上げていたのが見えたんだそうだ。だが、光があんまり急に、あんまり白く輝き出したもんで、目がくらんで後ずさりしてしまった。そして、次に連中の目がきくようになったころには、空に満月が浮かんでいたんだ。昔と変わらず、明るく綺麗にやさしく輝いて、みんなに向かって微笑んでいた。沼や小道は昼間のように明るくなり、隅っこの暗いとこにさえ光が入り込み、それはまるで月が、できるものなら、暗闇や小鬼どもをすっかり追っ払っちまおうかってほどだったとさ。(完)
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埋められた月 (全)。
2007/3/16: 第二話 p.27
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (20)
そこには、水から半分顔を出した巨大な石があり、異様な姿の大きな棺にそっくりだった。そのてっぺんには黒い古木が枝を左右に広げて立っていて、身の毛もよだつような十字架の姿をしていた。そして、その十字架には、小さな光が、消えかかったロウソクのように揺らいでいた。一行は泥の中に膝をついて「主よ」と唱えた。最初は前を向き、十字架に向かって。その次に後ろを向いて、小鬼どもを遠ざけるために。だが、口に出して言ったんじゃないよ。物知り婆さんが言ったとおりにしないと、化け物どもに捕まっちまうってことはみんなわかってたから。(つづく)
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これまでの話: (1)~(19)。
2007/3/14: 第二話 p.26
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (19)
そこで次の夜、まだ薄暗がりの中、一同はそろって出かけた。みんな、口には石を入れ、手にはハシバミの枝を持ってね。気分はどうかって、まあ見当はつくだろうが、そりゃあ恐ろしく不気味な思いをしてたさ。 沼の真ん中を通る道をみんなしてこけつまろびつ進んでいくと、目には何も見えなかったが、ため息だのコソコソする音だのが耳に入ってきたし、冷たい湿った指が体に触れるのもわかった。でも、棺とロウソク、それに十字架を探し回っているうちにいつの間にやら、月が埋められている、大きな古木のそばにある水辺に近づいていたんだ。そして、いくらも経たないうちに、一同は恐れおののきながら困惑して立ち止まった。(つづく)
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これまでの話: (1)~(18)。
2007/3/12: 第二話 p.25
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (18)
そこで一同は、物知り婆さんのところへ出向き、このことを話した。彼女はもう一度、壺を覗き込み本に目を通すと、うなずいた。
「まだ暗い、まだまだ暗いねぇ!」彼女は言った。「はっきりとは見えんの。だがまあ、あたしの言うとおりにして、後はあんたらが自分で見つけるんだ。夜が深くなる前に、あんたらみんなで行くんじゃよ。口の中には石を入れて、手にはハシバミの枝を持って。無事に家に帰るまで、一言も口をきいちゃいかんよ。そしたら心配はいらん、沼の真ん中へ歩いて行くんじゃ。棺とロウソク、それに十字架が見つかるまでね。そこまで来たら、お月さんのいるとこからそう遠くない。よく探しゃ、見つからんこともなかろうて」(つづく)
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これまでの話: (1)~(17)。
2007/3/9: 第二話 p.24
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (17)
一同は帰路についた。そして何日も過ぎたが、やはり月は姿を見せない。いきおい連中のする話はこのことばかりになった - そりゃ、そうさね! 連中は、それはそれは話をしたとも! 家でも、酒場でも、庭先でも、うわさ話ばかりさ。だが、そんなある日、一同が酒場で雁首そろえていたときのことだ。沼地の端っこの方に住むある男がタバコをくゆらせ話を聞いていたら、突然身を起こして、はたと膝をうったんだ。「俺はボケナスだ!」そいつは言った。「すっかり忘れちまってた。俺は知ってたよ、月の居所を! 間違いない!」そして、その男は沼地で道に迷ったこと、恐怖のあまり死にかけていたら光が射し、道が見つかって無事に家に戻れたことを話した。(つづく)
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これまでの話: (1)~(16)。
2007/3/7: 第二話 p.23
ここは漫画のサイトなのに、妙に読むところというかテキストが多いなあ…と、しみじみ思う今日この頃、第二話の注釈もじわじわ進行中です。注釈は、「その他」ページからたどれるようになっています。
以下、この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載です。
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埋められた月 (16)
「はて」壺を覗き込んだり、鏡を見たり、本に目を通した末に彼女は言った。「まったくおかしなことなんじゃがね、お月さんに何が起こったか、あたしにもはっきりしたことがわからんのよ。おまえさん方で何か聞いたら、あたしに教えとくれ」(つづく)
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これまでの話: (1)~(15)。
2007/3/5: 第二話 p.22
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (15)
しかし、何日過ぎても、月が新たにやって来ることはなかった。夜は暗いだけのものになっちまって、化け物どもはこれまで以上に悪さをやらかした。それから何日も過ぎたが、やはり月が新たにやって来ることはなかった。そうなると当然、哀れな人々は妙な具合で不安になるし困惑した。そこで、みんなして古い粉ひき小屋に住む物知り婆さんのところに行き、月がどこに行ったのか見つけることはできないかと尋ねた。(つづく)
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これまでの話: (1)~(14)。
2007/3/2: 第二話 p.21
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (14)
さて、日が過ぎて月が新たにやって来る日になり、人々はポケットに小銭、帽子には藁しべを入れて、彼女が来るのを待ちかねていた。沼のほとりの人々にとって、月は大切な友達だった。みんな、そりゃあ喜んでいたのさ。暗い時間がなくなり、道を安全に歩くことができ、恵みの光のおかげで化け物どもが暗闇や水たまりの中に追いやられるのがね。(つづく)
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これまでの話: (1)~(13)。
2007/2/28: 第二話 p.20
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (13)
小鬼どもは変な形の大きな石を運んできて、彼女が浮かび上がってこないように載せた。そのうえで、二匹の鬼火に、黒い古木を交替で見張るように命じた。彼女をこのまま囚えておけるように、逃げ出して自分たちの気晴らしのタネがなくなったりしないようにとね。
こうして哀れな月は、沼の中に埋められて死んだも同然。誰かが彼女を解放してくれるまで、それは続くんだ。だが、彼女の居場所が誰にわかる? わかりゃしないさ。(つづく)
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これまでの話: (1)~(12)。
2007/2/26: 第二話 p.19
新しく「リンク(links)」のページを追加しました。
また、新たに5つの検索系サイトへ登録させていただきました。各サイトについては下の"L"ボタンかリンクのページをご参照ください。
以下、この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載です。
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埋められた月 (12)
連中は、月にどんな仕打ちをしたものかで言い争ったり喧嘩をしていたが、そうするうちに空に薄日が射し始め、夜明けが近くなった。それを見ると連中は、自分たちの望みを果たす時間はないんじゃないかと不安になった。そこで、やつらは恐ろしい骨張った指で彼女をつかむと、古木の根本の水辺深くに沈めてしまった。(つづく)
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これまでの話: (1)~(11)。
2007/2/23: 第二話 p.18
今回のページ、「なんで?」と思われた方は、こちらの副読本をご一読ください。副読本の一覧は「その他」のページで。
以下、この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載です。
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埋められた月 (11)
「こやつに毒を - 毒を盛るのじゃ!」魔女は叫んだ。
化け物どもはまた「ホ、ホゥ!」とわめく。
「こやつの息を詰まらせろ - 息を詰まらせるんじゃ!」地を這うやつらはそうささやいて、彼女の膝のまわりで身をよじらせた。
他の連中が「ホ、ホゥ!」とあざけり笑う。
そして、こいつらはまた、悪意と邪念のこもった雄叫びをあげた。気の毒な月は身をかがめ、もう死んでしまいたい、何もかも終わりにしたいと願った。(つづく)
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これまでの話: (1)~(10)。
2007/2/21: 第二話 p.17
No Rest for the Wicked (オリジナル) が Web Cartoonists' Choice Awards (WCCA) 2007 のファンタジー部門最優秀作品に輝きました (Outstanding Fantasy Comic を一番下までご覧あれ)。
Congrats, Andrea!
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WCCAというのは、あちらのウェブコミック界のお祭りで、映画のアカデミー賞を模したものです (なので、セレモニーなんかもあります。…マンガでやるわけですけど)。
アカデミー賞ではアカデミー会員の映画関係者による投票で賞が決まりますが、WCCAではウェブコミック作家に投票資格があります。単なる人気投票ではなく、それぞれの作家が認め合い評価し合って決まる賞というわけですね。そんな賞だからこそ …本家のアカデミー賞よりはるかにささやかなのかもしれませんが… 作者にとってかけがえのない栄誉であり、大きな励みになるのではないかと思います。
--
というわけで、連載中のおとぎ話「埋められた月」は今回お休みです。これまでの話はこちらで (なんかヒジョーに切りが悪いところでぶった切ってしまいましたが)。
2007/2/19: 第二話 p.16
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (10)
「よくも、うぬめが!」魔女は叫んだ。「うぬのせいで、わしらの呪文はこの一年ちっとも効かぬわ!」
「うぬのせいで、わしらはいつも隅でおとなしくせねばならんじゃったぞ!」小鬼どもはこうわめいた。
他の連中もみんな「ホ、ホゥ!」と声をそろえ、その声の大きさときたら、草むらが揺れ水が波うつほどだった。そして連中はまた月を責め立て始めた。(つづく)
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これまでの話: (1)~(9)。
2007/2/16: 第二話 p.15
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (9)
そして、男は行ってしまった。疲れてあえぎながら、よろめき嬉し泣きしながら、恐ろしい沼から命からがら逃げ出した。そのときになって月は、あいつにここから連れ出してもらいたかったことを思い出した。彼女は気が狂ったように懸命に手を引き抜こうとしたが、やがてもがくのにも疲れ果て、古木の根元に膝をついた。そして、彼女がそこに伏して息を切らしているうちに、黒いずきんが彼女の頭にかぶさってしまった。恵みの光は消え失せ、闇が戻ってきた。金切り声やうなり声をあげた化け物どもをみんな引き連れてね。そいつらは彼女をぐるりと取り囲み、あざけるわ、掴みかかるわ、打ち据えるわ。怒りやら恨みやらで金切り声をあげるわ、ののしり声だのうなり声だのをあげるわ。やつらは、月が昔からの敵で、自分たちを隅へ追いやり、邪悪な望みを妨げてきたことを知ってたんだ。(つづく)
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これまでの話: (1)~(8)。
2007/2/14: 第二話 p.14
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (8)
男の方はというと、再び光を見ることができたものだからもう嬉し泣きだった。化け物どもはすぐさま暗い隅っこへ逃げ込んだ。やつらは光に耐えられないからね。そんなわけで、男は自分がどこにいるか、道がどこにあるか、どうすれば沼から抜け出せるかを知ることができた。ところがこいつは、あまりに急いで沼地に潜む生き物やら小鬼やら化け物から逃げだそうとしたものだから、この頼もしい光が、黄色く輝く美しい髪から黒い外套の外へ流れ出し、自分の足元の水辺にまでやって来たなんてことは、てんで見ちゃいなかった。そして月自身も、そいつを救おうとするのに必死だったから、そいつがちゃんと道に戻れたのに嬉しくなってしまい、自分も助けが必要なことや、自分が黒い古木にがっしり囚われていることなんてすっかり忘れちまってた。(つづく)
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これまでの話: (1)~(7)。
2007/2/12: 第二話 p.13
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (7)
そいつは沼地で迷っちまった男だった。恐ろしさでわけが分かんなくなって、助けが得られそうなチラチラする光に向かってもがき進んでいたんだ。気の毒な月が見たときには、その男は少しずつ道から離れ、深い穴に近づいていた。彼女はそいつの身を案じるあまり気もふれんばかりになって、これまでよりも懸命に手を引き抜こうともがいた。すると、抜け出すことこそできなかったんだが、身をよじったりひねったりしているうちに黒いずきんが後ろにずれて、黄色く輝く髪がこぼれ出し、そこから射す美しい光が闇を追い払った。(つづく)
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これまでの話: (1)~(6)。
2007/2/9: 第二話 p.12
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載、再開です。
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埋められた月 (6)
そうしたまま暗闇の中、助けが来るものか不安を感じながら震えて立っていたら、遠くで何かの呼び声が聞こえた。呼び声、また呼び声、そしてその声はすすり泣きで消えていき、やがて沼は哀れな泣き声でいっぱいになってしまった。そうするうちに、泥の中でピシャピシャやったり茂みに足を滑らせてもがく足音が聞こえ、闇を通して、ひどくおびえた目をした白い顔が見えた。(つづく)
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これまでの話: (1)~(5)。
2007/2/7: 第二話 p.11
おとぎ話「埋められた月」の連載は一回お休み。その代わりというわけでもありませんが、これまでの物語を別ページにまとめてみました。
さて、本家が久々に更新されました (めでたし)。この分家も紹介され、昨日からのアクセスは、普段より大幅に増えています (日本人読者層の拡大にはつながらないかもしれませんが、でもまあ、めでたし)。他にも翻訳があるようなことを聞いてはいたのですが、ドイツ語だったのですね。
ところで、しばらく前からひそかに第一話のオーディオコメンタリ注釈もアップされていたりします。他のページもチマチマいじっているようなので、油断はなりません。
2007/2/5: 第二話 p.10
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (5)
月は、外套をしっかり閉じて身震いしたが、何が起きているかすっかり見届けるまで引き返すつもりはなかった。だから彼女はそのまま歩みを続けた。夏の風のように軽やかに、茂みから茂みへと、ゴボゴボ言う水たまりの間を縫ってね。ところが、ある大きな黒い水たまりに近づいたとき、足が滑ってあやうく転びそうになった。体を支えようと近くの古木を両手で掴んだんだが、その古木に触れると、木が自分から手錠みたいに手首にからまりついて、彼女は動けなくなってしまった。引っ張ったり捻ったり懸命にやってみたが、そんなの効きやしない。彼女は身動きが取れず、その場に留まらなければならなかった。(つづく)
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これまでの話は下の [更新履歴] からご覧ください。
2007/2/2: 第二話 p.9
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (4)
言葉たがわずその月の終わりに、黒い外套に身をくるみ、黄色く輝く髪には黒いずきんをかぶせて、彼女は下界におりた。まっすぐ沼のほとりに向かい、あたりを見回してみると、そこら中、水また水だ。草むらは波うち、泥はブルブル震え、大きな黒い古木はみんなすっかりひん曲がっている。目の前は真っ暗だった。水たまりに映るチラチラした星の光と、黒い外套から漏れる光が自分の白い足元を照らすほかは、まったくもって真っ暗だった。(つづく)
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これまでの話は下の [更新履歴] からご覧ください。
2007/1/31: 第二話 p.8
そう言えば、このサイトを開いて一ヶ月が過ぎていたのでした。お越しいただいている方、本当にありがとうございます。取り急ぎ、御礼まで。
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以下、この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」の連載です。
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埋められた月 (3)
さて、月ってのはやさしく善良な質だ。-そりゃ、そうさね。自分は眠りもせず、夜中にわたしらを照らしてくれるんだもの- だから、このことを聞いてえらく困ってしまった。「私が自分で確かめてみるとしよう」彼女は言った。「みなの言うほどひどくはないかもしれぬ」。(つづく)
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これまでの話は下の [更新履歴] からご覧ください。
2007/1/29: 第二話 p.7
この作品の核となっているおとぎ話「埋められた月」を連載しています。
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埋められた月 (2)
空のお月さんは、今と変わらず照り輝いていた。月が輝いてくれれば沼地は明るく照らされて、ほとんど昼間みたいに安心して歩くことができた。
だが月が照ってないときは、闇に潜むやつらが悪さのタネはないかと嗅ぎ回るんだ。子鬼だのズルズル這うやつだの、月が照ってないときにみんなのさばり出して来た。(つづく)
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これまでの話は下の [更新履歴] からご覧ください。
2007/1/26: 第二話 6p.
月が消え、邪悪なものがのさばり始める…この世界観は「埋められた月」というおとぎ話が核になっています。そろそろここに書くネタもなくなりつつあるということで、このおとぎ話をちびちびと連載していきます。
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埋められた月 (1)
昔々、わたしのばあさんの時代は、カーランドの辺りは沼地やら、大きな黒い水たまりやら、気持ち悪い緑色の水やら、足を踏み入れればじゅくじゅく水がしみ出てくるような泥やらばかりだった。
でね、ばあさんはよく言ってたんだよ。自分が生まれるずっと前、月がいっぺん死んで沼の中に埋められたって話を。その頃よく聞いてたふうに、あんたにもすっかり話してあげるとしよう。(つづく)
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2007/1/24: 第二話 5p.
1ページずつの更新になってじれったいところがあるかもしれませんが、左の「最新のページを読む」のリンクと下のRSSフィードは使いやすくなっていると思います。よろしければご活用ください。
RSSの詳細については、RSSナビあたりをご参考に。当サイトもしばらく前にここに登録したので、特に問題がなければそのうち表示してもらえるかと思います。
2007/1/22: 第二話 4p.
今日からは、少しまともに翻訳しています。それでもペローが出てくるシーンに比べれば、字数は少ないものですが…。
2007/1/19: 第二話 3p.
第二話の表紙。訳すところが少ないページが続いていて、何だかすいません。
今回も大きな描き文字がありますが、表紙ということもあってルビは略しました(前のページとほとんど同じ表現ですし)。
ちなみに、こういう音を表す描き文字は、英語圏では"sound effect"と言われています。日本のマンガの翻訳では、向こうの描き文字にすっかり直す場合と、ルビを振る場合の二つの対応があるようです。
2007/1/17: 第二話 2p.
第二話 2 ページ目です。描き文字に律儀にルビを入れているのですが、ここまで自明のものにはいらないような気も。
前回書きそびれましたが、当面の間、月・水・金に 1 ページずつ更新していく予定です。サイトの手入れも細々と継続中。
2007/1/15: 第二話 1p.
今回から第二話の始まりです。
…どこも訳してるところがないような気もしますが、ともかく始まりです。
新たに「コミックズー」というサイトに登録させていただきました。そちら経由で来られた方、はじめまして。日本のマンガとは風合いが異なるところもあるかと思いますが、できますればよろしくお付き合いください。
2007/1/13: 第二話 準備中
今日は本編の更新はありません。文字通り一段落付いたところなので、サイトのに少し手を入れました。
1. 本家の真似をして、一言掲示板を付けてみました。上にある[ヒトコト]をクリックすると表示できます。メールするほどでもないがヒトコト言いたい、というようなときにご利用ください。
2. 本編の各ページから直接トップに戻れるようにしました。
週明けの月曜日から、第二話を掲載していく予定です。
2007/1/11: 第一話 43-46p.
第一話、とうとう完結です。
これまで正月休みと連休をいいことに、怒濤の如く更新してきましたが、第二話以降の更新は少し落ち着いたペースになります。1 回の更新で 1 ページずつ、週に 2~3 回のペースで更新していく予定なので、細く長くお付き合いいただければ幸いです。訳者はヒジョーに不精者なので、果たして大丈夫かと不安を感じつつ。
2007/1/9: 第一話 38-42p.
第一話も、もう終盤。次回の更新で完了の予定です。
結構イタい誤訳をしていたことに気が付きました。ペローの主人は"伯爵"ではなく"侯爵"です。…まったく初歩的なミスでお恥ずかしい限りです。申し訳ありません。現在では該当するファイルはすべて修正済みです。
また、おとぎ話が多く取り上げられている作品なので、このたび新たに「児童文学・絵本・童話ウェブリング」に参加してみました。そちら経由で来られた方、はじめまして。よろしくお願いいたします。
2007/1/7: 第一話 30-37p.
今回更新の最初のページ(p30)にある月のお話は、「The Buried Moon」というイギリス(北部アイルランド)の民話の序盤部分です。この民話では、月は女性の姿をしていて、このマンガでもそれが受け継がれているわけですね。
このお話自体、なかなか異様な味で面白いのですが、邦訳があるかどうかは不明。あったとしても容易に見つかるものではないようなので、いずれ訳すつもりにはしていますが…。
2007/1/5: 第一話 19-29p.
前回の更新からネコ耳男が出ておりますが、もちろんコスプレをしているわけではなく、本職のネコです。何者かは、こちらの副読本を読んでいただければ。関連するおとぎ話の一覧は、「その他」のページに記載してありますので、こちらもご参考に。
また、ページ数が増えてきたので、ここらでランキングサイトに登録してみました。WCRからお越しの方、はじめまして。日本のマンガとはどうしても風合いが異なるところもあるのですが、願わくば拒否反応を起こさず、暖かい目で見守っていただければ幸いです。
2007/1/3: 第一話 10-18p.
ぼちぼちテスト運用から本格運用へ…?
第一話の 10~18 ページをアップしました。
2007/1/1: 第一話 8-9p.
現在テスト運用中。
第一話の8~9ページをアップしました。
2006/12/28:
現在テスト運用中。
第一話の1~7ページをアップロード。
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